コーチング
話を「きく」って意外と難しい

話を「きく」って意外と難しい

人の話を「きく」って意外と難しい

先日、クライアントさんとのセッション中に「傾聴」という言葉がでてきた。彼女は、「人の話しを聞くだけでしょ。」とどちらかというと懐疑的な疑心と自分がまだ知らないことがあるのかしら?という若干の好奇心が入り混じった声色で「スキルなんて必要なんですか?」と聞いてきた。

私がはじめてコーチングを学んだころは、特に印象に残ったのは「質問をする」ことだった。
「きく」スキルもそれなりに学んだ。普段なにげなくやっている「きく」ことより、もっと複雑そうに思えた「質問」のほうに興味がわいた。当時は、あまり重要視していなかったことを思い出す。

「きく」ことをしっかりやろうとすると意外に難しい。

アクティブリスニングの講座でも技法についての知識は教えられるけど、実際の技量は、日常で練習していくしかない。

たとえは、主な傾聴の技法を下記に列挙してみた

① 場面設定
  何のために話すのか?の目的共有やどのようにこの時間を活用するかを伝え面談時間の構成を行う

② あいづち
  話し手がきいてもらえていると感じる反応を「うん」「ええ」「なるほど」など、適度に短めな応答をしていく

③ 単語の繰り返し
  話し手の表現した言葉をそのまま繰り返す。そのまま、受けて返すことで、話し手が話しやすい流れを作っていく。

④ 感情の反射
  何気なく話される感情を表現する言葉には、話し手自身も気づいていない様々な感覚がある。鏡のように映しだすことによって話し手の気づきを促していく。

⑤ 隠れている感情の言語化
  話し手が言葉にしにくい感情を言葉にできるように促す

⑥ 具体化 
  抽象的な意味合いの言葉をさらに深堀り、話し手自身の理解を深めていくのを助ける

⑦ 要約
  話しの内容を要点をまとめて伝え返すことにより、話し手が客観的に理解を深めていけるのを助ける

セッションや、面談のとき相手主体で話してもらう時には、上記の技法を総動員して、いかに話をしてもらうのか?に意識をむける。

10年以上やってきて今では「質問する」以前に「きく」ことの重要性を感じている。相当意識しないと人の話を「きく」ことは、難しい。それは、上記のような技法をもちいたとしても、話し手が気持ちよく話せていると言ってくれても常に「きけているか?」と自問自答する必要がある。

話しを「きく」という行為は、技法意外にももっと重要な、関わる側の「ありかた」が浮き彫りになる。

人の話をききながら、自分の頭に色んなことが浮かんでいないだろうか?

相手の言葉を理解しようとする動きでもある。が、わたしたちは、自分の記憶や体験とのすり合わせを脳のなかで無意識に起こしている。相手の言葉を自分の解釈で聞いて何かしら判断してしまうこともある。手前勝手な理解は、相手の成長に関わるときには注意が必要だ。

心理的な防御反応の反発や依存、逆転移などに展開してしまう可能性もあるし、スキルを駆使したところで関わる側のこちらの態度やありかたが相手に伝わっている。

自分はちゃんとクライアントの声をきけているのか?そのファーストポジションに立ち返れるのがこちらの本だ。

『傾聴の心理学』-PCAをまなぶ ― 
創元社出版 田村隆一/松本剛/岡村達也著 坂中正義 編著

心理学や教育関連の勉強をされた方なら一度は、耳にする心理学者カール・ロジャース。「傾聴」する側のありかたを明確にした人でもある。

コミュニケーションスキルの指導をする機会が増えるとやり方ばかりに重点がおかれがち。私自身も自己点検をかねて本書を繰り返してにとっている。

序章 ロジャースの生涯
第1章 PCA(クライアント中心療法)の概要
   理論と基本仮説を中心とした解説
第2章 PCA(クライアント中心療法)におけるカウンセリングや心理療法の解説
第3章 ジェンドリンの体験過程理論、フォーカシングの解説
第4章 PCA(クライアント中心療法)のプログラムの解説
第5章 PCA(クライアント中心療法)の実践解説
第6章 PCA(クライアント中心療法)を学ぶ所学者に心がけてほしいこと

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